友人農家からおもしろい燃料をもらったので、ちょっと遊んでみました。
その名ももみ殻から生まれたエコ燃料「モミガライト」
田んぼで稲刈りの時に出るもみ殻で、BBQ用の炭作っちゃいましたっていう商品です。
本当はBBQに限らず、薪ストーブのまきに使ったり、経年劣化に強いので災害用の代替燃料になったりと、いろいろと使えるものらしいのです。
地域循環をテーマに仕事してるので、この手のネタには目がない!
さらにBBQ検定の本領発揮ということで、いくつかもらって鼻息荒く持ち帰りました。
循環燃料とか新しい炭の可能性とか、いろいろときれいなストーリーはあるものの、実は私の期待するところはひとつ!
あの今はなき、秋の田園に広がるもみ殻焼きの匂いが復活するんじゃなかろうかと。
そう、新潟県内では田んぼの稲刈りが終わると刈った田んぼでもみ殻を焼く風習があったんです。
その灰を肥料にして再利用するという目的もあったんですが、消防法の関係や、単純に町中臭くなるからという理由かどうか、今では見られなくなった光景と嗅げなくなった田舎の香りです。
私たちが子どものころはこの光景が広がってまかれた後は、自由な田んぼで野球したりしていいという合図でもありました。(確実に足を挫くけど)
もし、火を焚いてもOKなBBQの場所でこの匂いが再現できたら。。。
これができれば新潟でのBBQは、かつての田園を思い出させる最高の匂いとともに最高の食材を食すパーティになること間違いなし!
と、期待を膨らませて実験開始です。
まずは火付け。
一本あたり1kgほどとずっしりと重く、もみ殻からとは思えないみっちり加減でしっかりとした棒状になってます。
まずは2本を3つに割ってチムニースターターへ。
火付きが悪いとは聞いていたので覚悟していたけど、かなりのもの。
新聞とかだけでは火をつけられないので、別で火をつけていた市販の炭を投入し、しばらく密着してなんとか着火。
これは、バーナーとかないとダメかもですね。炭と接して黒くなってもなかなか着火せず、思いのほかしぶとかったです。
今思えば、真ん中の穴を狙って風通しまくるのが肝なのかも。
なにはともあれ、とりあえず着火できたので焚き火台に移動!
もくもくと上がる煙も噂通り!
さすがもみ殻。よくモクモクなされます。風下にいちゃあ絶対ダメなタイプですね。
でも私の目的は、あの日の秋の新潟の匂いを楽しむことですので、果敢に鼻を近づけます。
・・・くんくん。
あれ?
・・・くんくんくん。
ごほごほ。
あれ?
持病の鼻炎か、煙に目をやられるばかりで匂いが判別できない。
目的が達成できなそうなにおいだけプンプンします。
まぁ煙が落ち着けば、ということで先に進むことに。
循環実験なので、田んぼから取れた燃料で米を炊くっていうミッションを自ら設け、持参した飯盒に3合の米を入れて始めちょろちょろ開始。
しばらくするともみ殻も本領発揮で炎が上がる!さすがもみ殻よく燃える!
運よく中パッパを実現できていい感じ。
でもこの炎、網の上が肉だったらヤバかった!
肉のBBQで炎は大敵。
丸焦げ必至の炎上状態!
肉はできるだけ炭の遠赤だけでやきたいところ。
でも飯盒でよかった。
中にはたっぷりの水が入っているので、沸騰させるにはいい感じ。
最初に煙が出て炎が上がるとは聞いていたので、ご飯にはちょうどよくてナイスでした。
道具不足で、飯盒を吊り下げ型にできなかったので、焚き火台の中に強火と弱火部分を作って熱量調節。
赤子なくとも蓋とるなという誘惑に負けず、吹きこぼれまでしばし我慢。
いい感じに吹きこぼれてきたので火から外し、ぼちぼちと蒸らしタイム。
はてさて。
お米のたき具合は。
。。
。。。
はいバッチリ!
炊き終わった後には炭の炎も落ち着き、遠赤外線バンバン出す良炭に育ちました。
ここからの炭の持ちは最高で、さすが重くみっしりな固形になっていただけあり、肉焼きに適した炭になりました!
今回の教訓。
①この燃料だけで挑戦しようとすると新聞レベルでは着火しないので、バーナーか杉っぱ、または他の炭の着火に頼ったほうがいい。
②モミガライトの特性を理解しないで肉からいくと丸焦げ地獄必至。
③最初の煙量をなめてかかると目をやられる。(鉄板置いたりすると隙間からの集中煙に被害者が出る)
④鍋物で湯沸かしとかからはじめて、炎が消えてからBBQ用に使うべし。
などなど、注意して使えばかなり良さそうなものです。
新潟らしい循環燃料として、いかがでしょうか?
あと最後に。
結局匂いはどうだったかというところですが。。
帰りの車の中で、首に巻いてたタオルやTシャツの匂い嗅いだら、今はなき秋の田焼きの匂いが染み付いてました!
なるほど、煙ではなく衣類に染み込ませて楽しむタイプの新潟かほりBBQでした!
夏に味わう新潟の秋の匂い。
皆さまもお試しあれ!
樺沢 敦